国際取引の最新事情と実務


第8回 国際取引における運送書類について

 近年の物流システムの著しい進歩に伴い、商品を海上輸送する際に船会社から発行される船荷証券(Bill of Lading : B/L)の到着が貨物より遅くなって、輸入者が貨物を引き取れない状況に陥る事態がしばしば起こっています。

そこで、貨物が陸揚げ港に到着したら、迅速に貨物を荷受人に引渡す手段として、船荷証券の代わりに貨物運送状(Waybill)が利用出来るのをご存知ですか?

そもそも船荷証券には次の三つの性質を有しているものです。

(1) 貨物の受領書
(2) 運送契約の証拠
(3) 貨物の引渡請求できる権利証券であり流通性がある。


国際取引で代金の決済方法が荷為替の取り組みを必要としない場合には、契約で約定された貨物が船会社から、タイミング良く荷受人に引渡されれば良いのです。従って貨物を受領する上でその貨物の引渡書類は有価証券である必要性は全くありません。
貨物を荷受人に引渡す際の証拠書類として有価証券である必要性は銀行を介した荷為替取引つまり、信用状決済やD/P並びにD/A決済の場合だけです。


船荷証券 (B/L) 海上運送状(Waybill)
書類の発送と貨物の引き取り 荷受人は荷送り人から送付されたB/Lのオリジナルを船会社に呈示して、貨物の引き取りを行います。 荷受人はWaybillを提示することなく船会社から貨物を引き取れます。従い荷送り人はWaybillを荷受人に発送する必要はありません。
書類の性質 有価証券なので、裏書により譲渡が可能になります。
尚、この書類を紛失した場合は取得した第三者が貨物の引き取りの権利を有する場合もあるので、紛失の場合の危険性が高いのでご注意下さい。
流通性のある有価証券ではないので、譲渡性はありません。貨物の引渡証であり、運送契約の証拠書類です。
ですから、紛失等により第三者が取得しても、特定された荷受人に貨物を引渡しますので、荷受人にはリスクはありません。
運送条件 船荷証券の裏面約款に基づいて詳細が規定されています。 CMI統一規則に基づいています。


 海上輸送する場合の運送書類といえば、どなたでもすぐにB/Lが思い浮かばれることと思いますが、B/Lは上述の通り、流通性のある有価証券です。この書類を紛失した場合は取得した第三者が貨物の引き取りの権利を有する場合もあるので、紛失の場合に危険性が高いのが難点です。そこで個々の国際取引における決済条件との関連から貨物に担保性が必要でないのなら、万が一のリスクを回避するためにも、海上貨物運送状つまりSea Waybillを活用するべきなのです。

 この海上運送状はB/Lと違って、荷受人に送付する必要はありません。従って、貨物が陸揚げ港に到着したら、荷受人は海上運送状を船会社に呈示することなく、貨物が引き取れます。
実際には船会社から荷受人宛てに貨物到着案内(Arrival Notice)が入ります。それにカウンターサインをすれば良いのです。

 信用状取引においてもUCP600(ICC荷為替信用状に関する統一規則および慣例)第21条で規定されている条件を充足していれば、Non Negotiable Sea Waybill (流通性のない海上運送状)を認めています。
しかしながら、この場合は荷為替取り組みのための買取書類の一つとなりますので、この海上運送状は買取銀行に提出しなければなりません。従って手続上はB/Lの場合と全く変わりありません。ただ、運送書類が有価証券か有価証券でないかだけの違いです。






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