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今回はLetter of Intentについて概説いたします。Letter of Intentについては往々にして誤解されている節があるように見受けます。
先日もある中小企業の社長と国際取引に関する話をしていましたが、その際、「中国の取引先からレターオブインテントを作成するからそれに署名してくれ。と言われたが、正式契約でもないし法的拘束力のないLetter
of Intentだから、OKしたよ。」と言っておられました。
Letter of Intent の法的拘束力についてはしばしば誤解されている方々がおられます。Letter of Intentは将来の契約当事者双方が契約締結前にお互いの意思を確認する書類であって契約書ではないので法的な拘束力を持たない、単なる意思表示書類に過ぎないと考えておられる方々が結構おられます。
これは大きな誤解です。先程の中小企業の社長さんもそのような誤解をされていたお一人と言えましょう。
そこで今回はLetter of Intentについてその意味と法的拘束力について解説いたします。
Letter of Intentとは:
Letter of Intentとは契約交渉の過程において、お互いに契約を締結しようとする意思がある当事者間で取り交わす事前合意書と一般的には言われています。
Letter of Intentに盛り込む内容は特に決まったパターンはありませんが、主に次の目的によって作成されると理解されて良いと思います。
| 1. |
お互いに本契約の締結をしようと言う意思の表明 |
| 2. |
本契約締結に向けての独占的交渉権の取得 |
| 3. |
その他契約交渉に際して、双方が確認しておかなければならない事項等 |
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本来このLetter of Intentはどのような使われ方をしていたかと言いますと、大型プロジェクト等の契約交渉のように、契約締結までの交渉期間が長く且つその交渉過程においては種々のデータやら膨大な資料を作成する必要があります。特に売主あるいは施工者にとっては永い期間しかも膨大な資料を作成しなければなりませんが、それら資料を作成するにしても相手側がどの程度契約を締結する意思があるのかが、極めて重要な要素になります。
また、提供した資料が相手方使用者側のアイディアにすり替わって、競合先の第三者とその資料に基づいて交渉をする事態も想定できます。そこで、安心して契約交渉ができるよう、お互いに契約締結の意思があることを確認し、独占的交渉権を取得しておこうというのがそもそもこのLetter
of Intentの趣旨です。
Letter of Intentの法的拘束力:
Letter of Intentの法的拘束力についてしばしば誤解されていることはタイトルにContractとかAgreementなどと言った契約を表す言葉はついておらず、Letterと表記されているものだから、これは契約ではないので、法的拘束力を持たないと解釈してしまう事にあります。
法的拘束力を有する書類か否かの判断はタイトルの表記ではなく取り交わしている内容によるものです。
例えば、Letter of Intentはその趣旨からみても本契約の締結に向けての交渉過程で取り交わすものですので、この時点で本契約の締結を義務付けることはできません。従って仮に本契約の締結ができなくても法的に一方の当事者を拘束することはできません。ですからこの限りにおいては法的拘束力を持ちません。
しかし、一方の当事者が提供する資料を有償で行うということになれば、対価の授受が行われますので、法的拘束力をもたせるべきです。
このように、取り交わす内容によって、法的拘束力があるか否かが確定されます。
Letter of Intentで取り交わす内容に法的拘束力を持たせないと言う場合は
| THIS LETTER OF INTENT DOES NOT CONSTITUTE OR CREATE, AND SHALL NOT BE DEEMED
TO CONSTITUTE OR CREATE, ANY LEGALLY BINDING OR ENFORCEABLE OBLIGATION
ON THE PART OF EITHER PARTY TO THIS LETTER OF INTENT. |
と明記しておくべきです。
また、前記の通り契約交渉過程に於いて有償で資料提供をするような条件のみに法的拘束力を持たせたい場合には、上記の文章にその排除したい箇所の排除文言(Except・・・)を付加しておきます。
以上の通り、法的拘束力を持つ書類か否かの見極めは書類のタイトルではなく中身によるということが重要なポイントです。
尚、取引予定の相手方からLetter of Intentを取り交わしたいと言ってきた場合は、よくその趣旨と目的を確認することが必要です。契約交渉を経た結果万一本契約を締結できないという情況になった場合、相手方が契約の成立を期待した事によって生じた損害(信頼利益)について賠償すべき義務があると言う議論も一方にはあります。特に中国においては中国契約法に明文化されています。但し、この場合はあくまで信義則上の義務がありますが・・・。
いずれにせよ、letter of Intentの取扱については細心の注意を払う必要がありますので、専門家のアドバイスを得ながら処理することが必要です。
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