◎ 金融・証券税制
1 タンス株の特定口座への受入れ延長等
特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等について、次の措置が講じられました。
(1) タンス株の特定口座への受入れ延長
平成17年4月1日から平成21年5月31日までの間に、一定の要件の下で、特定口座に、自己が保管している上場株式等を、実際の取得日及び取得価額で受け入れることができることになりました。
(2) 証券業者に貸し付けた場合
特定口座内保管上場株式等を特定口座の開設をしている証券業者に貸し付けた場合において、貸付期間後に返還される特定口座内保管上場株式等と同一銘柄の上場株式等を、一定の要件の下で、その特定口座に、貸付けをした際に特定口座において管理されていた取得価額で受け入れることができることになりました。
(3) 特定口座の取得者
特定口座の取扱者の範囲に日本郵政公社が加えられます。
上記の改正は、平成17年10月1日以後に設定される特定口座について適用されます。
2 特定管理株式のみなし譲渡損の特例の創設
特定口座を開設する証券業者等に開設される特定管理口座において、上場株式等に該当しないこととなった日以後引き続き保管の委託がされている株式(以下「特定管理株式」といいます。)につき、株式として価値を失ったことによる損失が生じた場合において、その特定管理株式を発行した株式会社の清算結了等の事実が発生したときは、その事実が発生したことはその特定管理株式の譲渡をしたこととみなし、かつ、その損失の金額として一定の方法により計算された金額はその特定管理株式の譲渡をしたことにより生じた損失の金額とみなし、株式等に係る譲渡所得等の課税の特例を適用することができるようになりました。
上記の改正は、平成17年4月1日以後に特定口座内保管上場株式等につき上場株式等に該当しないこととなった場合について適用されます。
※ 特定管理口座とは、特定口座内保管上場株式等で上場株式等に該当しないこととなった内国法人の株式につき、その特定口座から移管により保管の委託がされることその他一定の要件を満たす口座をいいます。
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3 先物取引に係る雑所得等の特例の拡充
先物取引に係る雑所得等の課税の特例等の適用対象に、居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者が、平成17年7月1日以後に金融先物取引法に規定する取引所金融先物取引をし、かつ、取引所金融先物取引の差金等決済をした場合の差金等決済に係る取引所金融先物取引による事業所得及び雑所得が加えられます。
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先物取引の種類 |
差金等決済に係る所得 |
差金等決済に係る損失の繰越 |
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商品先物取引 商品先物 商品指数先物 |
申告分離課税(雑所得等) 20%(所15%、住5%) 支払調書制度あり |
繰越控除可 (3年) |
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有価証券先物取引等 有価証券先物 有価証券指数等先物 有価証券オプション |
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金融先物取引 通貨等先物取引 金利等先物取引 金融オプション |
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区分 |
概要 |
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所得税/住民税 |
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利子所得と同様に源泉分離課税 (15%の源泉徴収)〔住民税 5%〕 |
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抵当証券の利息 |
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金貯蓄(投資)口座の利益 |
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一時払養老保険及び一時払損害保険等の差益 (保険期間等が5年以下のものに限る。) |
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外貨建定期預金の 為替差益 |
外貨→円 |
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外貨→他の外貨 |
【改正前】総合課税→【改正後】同上 |
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5 公開買付けに係るみなし配当課税の特例の延長
株式の発行法人が自己株式を取得した場合には、原則としてその自己株式取得に応じた法人株主・個人株主に対し、みなし配当課税及び譲渡益課税が適用されます。
ただし、上場会社等が市場買付けにより自己株式を取得した場合には、法人株主・個人株主に対しみなし配当課税は適用されず、譲渡益課税のみが適用されます。
また、上場会社等が公開買付けにより自己株式を取得した場合には、法人株主にはみなし配当課税及び譲渡益課税が適用されますが、個人株主にはみなし配当課税が適用されず譲渡益課税のみが適用されています。
平成17年度改正では、上記公開買付けに係るみなし配当課税の特例(個人株主にはみなし配当課税が不適用)が2年延長されました。
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市場買付け |
公開買付け |
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個人株主 |
譲渡益課税 (申告分離) |
特例 譲渡益課税 (申告分離) |
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法人株主 |
譲渡益課税 (通常の法人税課税) |
みなし配当課税及び譲渡益課税 (原則80%益金不算入) |
6 非居住者等の国債保有に係る優遇措置の要件の緩和
(1) 通知手続の簡素化
非居住者・外国法人が債券投資等で得た所得は、日本では原則として非課税とされていますが、非課税措置の適用を受けるための手続き(非居住者証明)が必要とされています。
具体的には、海外投資家が適格外国仲介業者から国債を購入した場合には、適格外国仲介業者は投資家ごとの取引情報を振替の都度、国内の振替機関等に通知する必要があります。
しかし、改正後(平成17年4月1日以後)は手続が簡素化され、投資家ごとの管理は不要とされ、更に3ヶ月に一度の通知でよいことになりました。
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(2) 税制優遇措置の適用手続の簡素化
非居住者・外国法人に係る国債に関する特例等について、次の措置が講じられました。
イ 物価連動国債の譲渡対象者の範囲に、外国法人及び適格外国証券投資信託の受託者である外国法人等が加えられます。
ロ 分離振替国債(ストリップス債)に係る特例の適用手続について、割引短期国債等(TB・FB)に係る特例の適用手続に一本化するなど所要の措置を講じたうえ、廃止されました。
ハ 割引短期国債等(TB・FB)に係る特例の適用を受けている者が振替国債の利子に係る特例を受ける場合の適用手続について、一定の要件の下で不要となりました。
ニ 割引短期国債等(TB・FB)及び分離振替国債(ストリップス債)に係る特例について、適用対象者の範囲に適格外国証券投資信託の受託者である外国法人等が加えられました。
上記ロからニは、平成17年4月1日以後に振替記載等を受ける場合について適用されます。