|
株式会社を設立するには最低資本金が1000万円という条件があるのはご存じと思います。有限会社の場合には300万円です。そしてこの1000万円乃至300万円は現金で用意し、金融機関に預け入れて保管証明を発行して貰い、法務局への設立書類と共に提出しなければなりません。しかし2003年2月1日施行の特例(中小企業挑戦支援法)を利用すれば、資本金1円でも株式会社の設立が可能になりました。この制度を利用して最低資本金未満で設立した会社は、「確認株式会社」または「確認有限会社」といいます。 平成14年10月 中小企業庁 「中小企業挑戦支援法」 資本金1円の株式会社設立を「確認」をするのは経済産業省です。つまり経済産業省が設立要件を満たす旨を「確認」すると、銀行に依る「資本金の保管証明」が不要になります。従いまして名刺には「株式会社☆☆☆」或いは「◎◎◎有限会社」と記載出来ます。勿論設立した会社の記載事項証明書(会社謄本)も所轄の法務局が発行します。 株式会社或いは有限会社の通常の設立手続をご説明致しますと、 上記の従来からの手続上、会社設立迄に関わる役所は「公証人役場」と「法務局」の2ヶ所です。しかし「経済産業局」による「確認」手続を経る事で、金融機関への資本金払込をしなくて良くなるのです。即ち、定款認証の後に金融機関に資本金を積む代わりに、経済産業局に「確認申請」をして「確認」を受けるのです。 尚、設立に伴う法務局等の登記や税金に掛かる費用は、保管証明の発行に伴う銀行手数料と税金が軽減される他は、 ・株式会社の設立には、定款認証9万円、登録免許税15万円の計24万円程掛かります。 しかしこの制度にも問題点があります。 法令には「事業を営んでいない個人で、かつ2ヵ月以内に新たに会社を設立して、その会社を通じて事業を開始する具体的な計画を有する者」と定められています。 即ち「新規創業者」しか「確認株式会社」を設立できないとされている点です。つまり個人事業主として既に何らかの事業を営んでいる方や、法人の代表取締役に就任している人が「この特例を活用して法人化」を考えても、条文の逐条解釈では活用出来ないのです。 資本金として銀行に預ける1000万円が用立てられないから個人創業し、毎年青色申告をしているとか、同じ理由で合資会社を設立した人は、経済産業省に依る「確認」の対象にはならないと説明されています。従って既に会社の代表者を務める方は、「確認」方式では、新たな会社設立が出来ないと考えられます。 この「中小企業挑戦支援法」の趣旨は、給与所得者(所謂会社員やサラリーマン)、主婦、学生及び近年増加しつつあるリストラで職を失った方等の独立開業や起業を促すものなのです。既に会社を経営している人や個人事業を営んでいる人に、今更起業を促す必要はないので、この制度では除外している訳です。 しかも設立後5年以内に最低資本金(株式の場合は1000万円、有限の場合には300万円)に迄増資できない場合には、確認方式で設立した法人を解散するか、合資・合名会社への組織変更をしなければなりません。ちなみに現在の商法では株式・有限会社を合資・合名会社への組織変更はできません。しかし確認株式会社・有限会社では特例で、株式・有限会社から合資・合名会社への組織変更が可能になります。 この辺りをより理解するためには、実際の運用事例に多く接する必要があります。今後具体的な例が増え、役所の指導例が多く出て来る事でしょう。私共なりに今後研究を深め、実例と実務を積み上げて参ります。 ・ 経済産業局への届出と財務諸表の閲覧 その結果届出た財務諸表が誰でも閲覧出来ますので、財務諸表が公開されてしまいます。そして登記変更事項が生じる度に経済産業省への報告をしなければならないので、その分の新たな手間が掛かります。 その理由は、通常の株式会社や有限会社は最低資本金制度に依り金融機関に資本金を積んだ実績が証明されますので、ある程度の資産を基に設立されたと判断されます。しかしながら確認株式会社及び有限会社の場合では、極端な場合には1円の資本金でも法人の設立が出来ますから、取引先や債権者は資産背景を確認する必要が生じます。従って取引先や債権者等の利害関係者を保護する為に、資本金の資産背景に乏しい確認株式会社や有限会社は、財務諸表を経済産業省経由で一般に公開する必要があると定められているのです。 確認株式会社や確認有限会社の設立並びに決算集計と税務申告手続及び経済産業省への報告のお手伝い等、私共にてこの制度に対するサービス体制を準備しております。 |